地震保険へ駆け込み加入する前に確認しよう!

今年(平成26年)7月以降を開始とする地震保険契約の保険料が全国平均で15.5%引き上げられることになりました。保険料が上がるなら、と地震保険への駆け込み加入が発生しています。ところが、基本の保険料が上がると同時に一部の割引制度の割引率が上がったことによって、実際には駆け込み加入をしない方がいいケースが多くみられます。いよいよ地震保険料が上がる直前。ここで実際に駆け込み加入をした方がいいかどうか確認してみましょう。
地震保険の割引制度が拡充される
地震保険には各種割引制度が用意されています。建築基準法が改正され新耐震基準となった昭和56年6月1日以降に新築された建物であれば「建築年割引」が、耐震等級が取得されている建物には「耐震等級割引」が適用されるといった形です。

東日本大震災の経験をもとに被害実態を分析し、地震の揺れに対して実際の建物の被害状況の関係が再評価されました。その結果を受け「免震建築物」や「耐震等級が2もしくは3」を取得している建物については7月以降に割引率が拡大されることになりました。

耐震等級2の建物の割引率はこれまで20%でしたが30%に、「免震建築物や耐震等級3」の建物の割引率は30%でしたが50%へと拡大されます。

ちなみに複数の割引制度に該当する場合でも、それぞれの割引率を併用することはできません。ですから通常は該当する割引制度の中で、もっとも割引率の高い制度を適用することになります。

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駆け込み加入が不利になるケースが多数ある
それでは基本の保険料率にこうした割引率を適用した結果を見てみましょう。それぞれ保険金額1,000万円で計算しています。また、イ構造とはマンションのような主として鉄筋コンクリートや鉄骨造の建物、ロ構造は主に木造の建物です(ただし、木造の建物でも耐火建築物、準耐火建築物、省令準耐火建築物に該当すればイ構造になります)。

図表2を見ると、割引制度をどれも適用できない建物であれば、イ構造では山梨県のみ、ロ構造では山梨県、長野県、滋賀県、岡山県、広島県の5県は7月以降の方が保険料は下がるため、駆け込み契約をしない方がいいことがわかります。逆にこれら以外の都道府県は値上がり前の駆け込み契約が有効です。また、7月以降も割引率が変わらない建築年割引、耐震等級割引(耐震等級1)、耐震診断割引のみ適用できる建物であれば、割引制度が適用できない建物と同様に、ほとんどの都道府県で駆け込み契約が有効です。

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※建築年割引等→建築年割引、耐震等級割引(耐震等級1)、耐震診断割引のいずれか

耐震等級が2もしくは3の建物と免震建築物は要注意
割引率が拡大されたのは耐震等級が2もしくは3の建物と免震建築物です。

免震建築物は新しい技術のようなイメージがありますが30年以上の歴史を持つ技術です。免震装置の上に建物が乗っているような構造をしていることが一般的です。地震の揺れを免震装置が吸収し建物に伝わりにくくします。特に東日本大震災以降、免震マンションの人気が高まっており、マンションで使われる構造のイメージが強くなっています。ところが、免震構造を採用している戸建もたくさんあります。

耐震等級は平成12年10月から本格的に運用が開始された「住宅性能表示制度」にもとづくものです。耐震等級は地震の際の構造躯体の「損傷防止」「倒壊等防止」という観点から、構造躯体の強さを1~3の3区分で評価します。地震に対して構造躯体が強くなるほど耐震等級の数字が大きくなります。ちなみに免震建築物に該当する場合には、この耐震等級は評価しません。
保険料変更前後は保険期間の選び方がカギ
耐震等級2が適用できれば、イ構造では7月以降の契約の方が有利になる都道府県は4つ、ロ構造では29にも及びます。さらに耐震等級3の建物もしくは免震建築物であれば、もれなく7月以降の契約の方が有利になることがわかります。

地震保険に加入する際には保険期間を最長5年まで設定することができます。保険料が変更される前後には、この保険期間をどのように選ぶかがポイントになります。

地震保険の保険期間が長期になるほど保険料は安くなります。たとえば、保険期間5年とすれば、本来は1年分の保険料の5年分を支払うところを4.45年分で済みます。つまり、0.55年分の保険料が割引になるわけです。この計算は契約時の保険料がベースとなります。

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保険料が上がる人は長期契約を検討しよう
以上のように7月以降の保険料は条件によって明暗が分かれます。条件によって取るべき行動が大きく異なりますので、地震保険への加入を検討している人は保険料が7月以降に上がるのか下がるのか確認してください。その上での以下のまとめを参考にしてください。

1)7月以降に保険料が上がる条件の人
→6月末までに保険期間5年で地震保険に加入する。5年間は値上がり前の保険料が適用され、長期割引のメリットも。

2)7月以降に保険料が下がる条件の人
→取り急ぎ1年契約で地震保険に加入する。次回更新時には保険料が下がっているので、長期割引のメリットを享受したいなら保険期間2年~5年で更新する。

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