医療保険は「終身型」と「更新型」どちらを選ぶ

私たちが入院や手術をしたときなどに、保険金が支払われる医療保険。高額となった入院費用?手術費用や、入院が長引いて減少してしまった収入をカバーする保険商品で、大きく分けて「終身型」と「更新型」の2種類があります。
「終身型」とは、保険期間を終身、つまり一生涯とするものです。一方、「更新型」とは、保険期間を一定期間で区切り、保険期間が満了した時点で希望すれば再度保障を継続することができるものです。

今回は、医療保険に入りたいけれど、自分には「終身型」と「更新型」のどちらが合っているか分からない、そういった方のために、それぞれの特長などについてファイナンシャルプランナーの深沢さんに解説していただきました。

保険期間の分類
保険期間を切り口に、双方の特色についてもう少し詳しく見てみましょう。
「終身型」は、保険期間が一生涯にわたりますので、入院?手術の保障が途切れません。特に健康上の心配が増えてくる老後になっても、医療費に関する一定の保障が一生継続するという安心感があると言えます。

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「更新型」は、保険期間を10年間と設定すると、10年後に満了となりますが、保険会社が定める契約期間(80歳?90歳など)まで更新することができます。更新前に健康状態が悪くなっても、入院保険金の増額をしない限り、更新することは可能です。当然のことながら、契約期間が満了すれば、その後の保障は無くなってしまいます。

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保険料の違い
「終身型」は、保障する期間が「更新型」より長いので、契約時の年齢が同じ場合、保険料は「更新型」より高くなります。しかし、契約時の年齢に応じた保険料が以降も変わりません。特に、若い時期に「終身型」を契約すると、その時点の保険料が老後も継続します。そのため、年金生活に入っても無理なく保障を継続することができるでしょう。

「更新型」は、契約時の年齢が同じ場合、「終身型」と比べて当初の保険料は安くなります。しかし、保険期間が満了して更新する際には、更新日時点の年齢に応じた保険料が適用されますので、更新のたびに保険料が上がります。同時期に契約した「終身型」と比較すると、一定期間経過後の総支払保険料は、「更新型」の方が多くなる場合があります。

これらのことをまとめると、十分な貯えができるまでの一定期間だけ保険商品による医療保障を確保したい場合は、「更新型」が適していると考えられます。一方で、一生涯など長期間の医療保障を保険商品で確保したい場合は、「終身型」が適しているでしょう。
保険金の支払限度日数の考え方
医療保険では、「1回の入院」や「通算」といった形で、入院保険金の支払限度日数が決まっています(各保険会社、各商品によって異なります。また、がん保険には一般的には支払限度日数はありません)。例えば、「1回の入院で受取れる入院保険金は60日まで、保険期間を通じて受取れる入院保険金は通算で1,095日」などとなっています。

「終身型」の場合、この日数は保険期間、つまり生涯を通じた支払限度日数を意味します。「更新型」の場合、「1入院」はその保険期間内での支払限度日数を意味するので、支払限度日数1日あたりの単価は、「更新型」の方が安いという計算になります。ただし「通算の支払日数」は、更新前後の日数を合計したものとなっています。

※更新時期の比較的直前に入院保険金を受給して、受給期間中に保険期間が満了して更新しない場合、更新時期以降は入院保険金が支払われなくなることが一般的です(実際には個別の保険商品でご確認ください)。これらの点については、契約時に必ず確認してください。
「環境の変化に対応する」という視点
私たちの生活において、公的医療保険制度や治療の方法が変わる場合もあります。例えば今後、医療費の自己負担割合が増えることになった場合、当初設定していた入院保険金日額では十分にカバーできなくなってしまうことも考えられます。
また、治療の方法の変化について先進医療を例に挙げると、今ほど先進医療が認知されていなかった時代に販売されていた医療保険?がん保険には、先進医療に関する特約がついていないものが一般的でしたが、最近徐々に先進医療に関心を持つ人が増え、先進医療を保障する保険商品が販売されるようになりました。この先進医療の保障を追加する場合、従来の保険商品に新たに先進医療の保障を付加できず、保険商品自体を乗換える必要があるケースもあります。

このように、環境の変化に応じて保障を見直すことは重要ですが、見直しの方法は「終身型」と「更新型」で異なります。
契約している医療保険を解約してほかの保険商品に乗換える場合、「更新型」は保険期間が短いので、中途解約しても「終身型」と比較してムダとなる保険料は少なくなります。
「終身型」の場合は、変化に応じた保障の見直しにおいて、途中の解約はあまりおすすめできません。「終身型」は毎月の保険料に先の保険期間にかかる保険料も勘案されていることから、途中解約をすると「更新型」と比較してムダとなる保険料が多くなってしまいます。そのため、契約中の終身型医療保険をベースに別の保険商品に追加で加入する、あるいは、可能であれば保険金日額を増額したり、特約などを中途付加したりすることによる、保障の見直しをおすすめします。

要はどのタイプの医療保険であっても、状況の変化に応じた見直しをしていった方がよい、ということだと思います。
「終身型」「更新型」のメリット&デメリットのまとめ
最後に、「終身型」「更新型」のそれぞれのメリット?デメリットなどについて、まとめてみましょう。

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「更新型」の保険料は当初は割安なものの、入院リスクが高くなる高齢になればなるほど上がること、また、「更新型」の多くは80歳前後までしか更新できないため、年齢が上がるにつれて高まる入院リスクに備えたいことなどから、「終身型」を選ぶ方も多いのかもしれません。

今回の解説は以上となりますが、それぞれの特徴を十分に把握し、自分自身の医療保障をどのように確保するか、というコンセプトをしっかりと打ち立てておくことが肝要ではないかと思います。
その意味では、ウェブサイトで提供されている医療保険に関するさまざまな情報を参考にしたり、ファイナンシャル?プランナーなどの専門家にアドバイスを受けてみたりして、じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。「終身型」か「更新型」かの選択は、実は奥が深いのです。

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